犬種:ポメラニアン 性別:♂ 生年月日:2019/09/21 血統書:有り
祖先犬は、スピッツ系に属する他の犬種と同じく、サモエド(ロシアのシベリアを原産としたトナカイの番やカモシカ狩り、そり引きをする犬)であると言われる。ポメラニアンという名前は、原産地のバルト海南岸の、3つの川に囲まれた低地であるポメラニア地方にちなんでいる。現在のポメラニア地方は、大部分がポーランドに、一部がドイツに属しており、この地方では古来よりさまざまなタイプのスピッツ系の犬種が飼育されていた。ポメラニアンは体躯の小ささから愛玩犬 (en:toy dog) に分類される犬種だが、もともとはジャーマン・スピッツのような中型のスピッツから品種改良を重ねて小型化された犬種である。国際畜犬連盟からもジャーマン・スピッツの一品種に分類されており、多くの国でツヴェルク・スピッツ(小さなスピッツ)として知られている。 ポメラニアンが流行犬種となったきっかけは、17世紀以降多くの王族が飼育を始めたことによる。とくに愛犬家として知られるヴィクトリア女王が小さな体躯のポメラニアンを愛好し、熱心に繁殖させたことによってポメラニアンの小型化に拍車がかかり、世界的な人気犬種となっていった(一説には1888年、女王自らがこの犬をイタリアから持ち帰ったともいうが、一般にはもう少し以前からイギリスで飼われていたと考えられる)。ヴィクトリア女王の存命中にポメラニアンの大きさはそれまでの半分程度にまで小さくなった。概してポメラニアンは頑健で丈夫な犬種といえるが、膝蓋骨脱臼と気管虚脱を発症することがある。また、まれにではあるが、「黒斑病 (black skin disease)」と呼ばれる遺伝性の皮膚疾患による脱毛症に罹患することもある。アメリカでは近年飼育数がつねに上位15位までに入っており、世界的な小型犬の流行に一役買っている犬種となっている。 ポメラニアンは体重1.9 - 5.0kg、体高13 - 28cmという小型犬である。小さいながらも丈夫な犬種で、粗く豊富な被毛と長い飾り毛のついた巻尾を持つ。首と背はひだ飾りのような、臀部は羽飾りのようなトップコートが密生している。 最初期のポメラニアンの毛色はホワイトがほとんどで、まれにブラックが見られた。ヴィクトリア女王は1888年にレッドの被毛を持つ小さなポメラニアンを飼育しており、19世紀末までこの毛色のポメラニアンが流行するきっかけとなった。現在のポメラニアンは、ホワイト、ブラック、ブラウン、レッド、オレンジ、クリーム、セーブル、ブラック・アンド・タン、ブラウン・アンド・タン、スポット、ブリンドル(虎毛)、そしてこれらのカラーのコンビネーションと、あらゆる犬種の中でもっとも多様な毛色を持つ犬種となっている。なかでもオレンジ、ブラック、クリーム、クリーム、ホワイトが一般的な毛色である。 ポメラニアンは友好的で活発な犬種で、飼い主とともにいることを喜び、仲間の保護意識も旺盛である。飼い主に強く依存し、躾がされていない場合には飼い主と離れることに激しい不安を感じることがある。環境の変化にも敏感なため新しい外的刺激に対して吠えやすい傾向にあり、放っておくと無駄吠えの癖がついてしまうことがある。縄張り意識も若干強く、外部からの騒音にも激しく反応する。とはいえ、ポメラニアンは知性豊かな犬種で躾が入るのもはやく、飼い主が適切な飼育をするならば素晴らしい家庭犬となる。
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