チンチラ
湿気と温度変化に弱く、チンチラにとって毒となるような野草であっても無警戒に口にすることがあるため、屋内飼育が基本とされる。しかしチンチラは運動能力が高く、体長20cmほどのチンチラであっても、走る速度は人間の歩く速度よりはるかに速い。 加えて成長したチンチラのジャンプは高さ1m前後にも達するため、狭いケージに囲っての飼育には向かない。 ケージ内だけではチンチラが必要とする運動量をまかなえないと感じるなら、飼い主の生活する室内にチンチラを放して散歩させることができるが、木製やプラスチック製の家具、本、壁紙、電気のコード類を好んで齧り破壊するため、注意と(高価な家具や電化製品が破壊されても構わないという)覚悟がいる。 ケージ内に回し車(チンチラの背骨に負担をかけないよう、直径三十センチ以上のものが望ましい)や齧り木を取り付けることで、チンチラのストレスをある程度解消してやることができる。
複数のチンチラを同時に飼育する場合、特に複数のオスを同時に飼育する場合は、チンチラ同士の喧嘩を警戒する必要がある。 喧嘩の程度や頻度は予想がつかないため、一匹につきひとつのケージを用意し、普段はそれぞれの個体を別のケージに分けて飼育するのが望ましい。同性の親子や、仲のよいオスメスのカップルは、喧嘩することなく一つのケージで暮らすことができる場合もあるが、怪我や病気の際の隔離、連続妊娠(チンチラは出産と同時に妊娠可能であるため、出産の前後はオスメスのペアを別にしないと、出産で体力の落ちたメスが間断なく妊娠してしまう危険がある)の回避のためなどには、やはり個別のケージが必要となる。
基本的には夜行性であり、就寝中もわずかな物音で目を覚ますため、昼間は静かな環境が必要。一方、夜は活発に活動する(中には飼い主の生活サイクルに合わせて活動するチンチラもいるようだ)。 睡眠時間は一日十二時間ほどにもなる[脚注 3]が、短いサイクルでの睡眠と覚醒を繰り返し、完全に安心しきっている環境以外では、熟睡することはあまりない。