ヤギの種類

ザーネン種

スイス西部のザーネン谷原産の乳用種。毛色は白で、乳房が発達している。日本のヤギのほとんどはこの種もしくはその雑種である。(日本ザーネン)雌雄共に角がないものも見られ無角が遺伝子的に優性でこの無角遺伝子と間性は深い関わりがうかがえ、搾乳目的の無角山羊を飼う場合注意が必要、逆にペット山羊としては間性山羊は必ず無角であり発情期の悲鳴が無い事から注目される。


ヌビアン種

アフリカ東部ヌビア地方原産、アフリカ、ヨーロッパなどで飼養されている。ヌビアンにはアングロ・ヌビアンとスーダン・ヌビアンがいるが、通常ヌビアンというのは前者のことを指す。毛色は黒、褐あるいは黄褐を基調としてそれぞれの斑紋など多様である。長い垂れ耳の山羊の代表種、乳量が600-800 kgと言う文献もあり周年繁殖種としては出色で詳しい情報が待たれる。


トッケンブルグ種

スイス原産の乳用種。毛色は褐色。目の上から鼻にかけて2本の白線があり、これはオリジナル3種の幼獣には全て見られ雌はそのまま成長、雄は相当変異する遺伝的特徴と思われ狭義のスイスマークとして知られ有色山羊にまま見られアルパイン、ヌビアン、ピグミー種で確認されている。


アルパイン種

スイス・フランスのアルプス地方原産、ヨーロッパ、北アメリカなど世界各地で飼養されている。ブリティッシュおよびフレンチ・アルパインが代表的だが、近年アメリカン・アルパインが作出され、搾乳を容易にする乳器の改良が行われ牛用搾乳機の利用が可能になっている。


マンバー種

中東の砂漠地帯で遊牧民などに飼われる。毛色は黒。毛をテントやロープの材料として用いるほか、乳を食用とする。


カシミア種

中国の新疆ウイグル自治区や内モンゴル自治区、モンゴル国で飼育されている。産毛はカシミアウールとしてニット製品に用いられている。


アンゴラ種

トルコ、アナトリア半島のアンカラ(古称アンゴラ)地方原産。毛はモヘア織りの原料となる。


ジャムナバリ種

インド、東南アジアで飼育される。白地に褐色や黒の斑点をもつ。耳が垂れ、盛り上がった鼻筋が特徴。食肉用や乳用にされる。


シバヤギ

体重 20–30kgの小型のヤギ。長崎県西岸や五島列島で昔から飼育されていたものから、明治以降に品種改良を進めて作り出された。周年繁殖、すなわち季節を問わず1年中繁殖が可能。雌雄ともに角があり、オスの方が角が太くより後方に伸びる。近年、飼育頭数が減っており、現在は東京大学農学部付属牧場、農林水産省畜産試験場、同省長野牧場などで小さな集団が維持されているのみである。


ピグミーゴート

北アフリカ西部原産小型のヤギ。最初にヨーロッパに持ち込まれ、次いでアメリカに渡りミルクの搾れるペット山羊として人気があり、この地でピグミーゴートと呼ばれだしたと考えられる。愛好会による品評会が盛んなためか、インナーブリードによると思われる特異な個体(反転スイスマーク個体、体の前と後ろで色が異なる個体)が散見され、同時に交雑が進んでいる。元来ピグミーゴートはオリジナルのベゾアールに一番近い形体が残っていたと思われ、純粋に近い両親からは全て同じ柄(体色に濃淡の変化はあるが全身にスイスマーク)の子供が生まれ、メスはそのまま成獣となりオスは一年から二年で全く別の体色の成獣となる。一部によくシバヤギやトカラヤギと体重、体高を比較されるが、普通は一回り大きい。しかしヤギの体重はほとんど一生増え続け、適度な飼料と微量要素を与えるとシバヤギで100 kgを越えた例、ヤクヤギ(トカラヤギが移入)で90 kgを越えた例も見られ、比較にあまり意味はない。